全国ウサギネットワーク活動内容


 当ネットワークでは、HPを通じてウサギに関する情報の発信をはじめ、随時会報を発行し、情報の共有を行う予定です。また、毎年開催予定の「全国ウサギサミットまたはシンポジウム」では、国内外のウサギ好きが一堂に会し、情報の交換会を行います。 なお、当ネットワークでは、ウサギの売買・譲渡に関する斡旋事業はいたしておりません。

全国ウサギサミット・講演会・シンポジウムの開催


全国ウサギネットワーク第3回総会・講演会・懇親会

 2019年10月11日(金)、秋田県大仙市の八乙女交流センターにおいて、今回で3回目となる当ネットワークの総会および講演会(前2回はシンポジウム)を開催いたしました。今回も前年同様、大仙市主催の「全国ジャンボうさぎフェスティバル」の協賛事業としてフェスティバル前日に開催し、翌日からはフェスティバルのうさぎ品評会等に会員様が参加する予定でしたが、巨大台風19号の上陸により、32年の伝統を誇るフェスティバルが中止となってしまいました。

 関西・中国・四国地方という遠方から参加された会員様は、特に落胆されたかと思いますが、それでも当ネットワークの総会・講演会とその後の懇親会には参加していただきました。主催した事務局としましては、感謝に堪えません。

 今回の台風によって被災された方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

 

 15:00より、小研修室にて総会を開催しました。参加者は9名とやや寂しい気がしましたが、その分全員が発言され忌憚のない意見交換が出来たと思います。参加者の皆様は、「食肉としてのウサギ肉」の価値に着眼されていて、飼育方法や餌の工夫などの話題が上がりました。

   さて、総会での話し合いにより、当ネットワークの具体的な活動内容が以下の通り決定いたしました。

  (1) 会報「全国ウサギネットワーク通信」を、10月と3月の年2回発行する。 

     ①10月の上半期号には、総会・講演会・全国ジャンボうさぎフェスティバルのレポートを掲載する。

     ②3月の下半期号には、代表およびウサギに関する有識者の寄稿文を掲載する。

  (2) 年会費の会計報告を、10月と3月の年2回行う。

        ①10月は中間会計報告として監査を行い、総会で報告する。不参加の会員には会報とともに郵送する。

        ②3月は決算報告として監査を行い、会報とともに全会員に郵送する。

  (3)  講演会もしくはシンポジウムをフェスティバルの協賛事業として開催する。

                       総会の様子

 

 16:00より、当ネットワークの設立に尽力された、香川大学農学部の川崎淨教先生による「うさぎ講演会」を大研修室にて開催しました。ネットワークの中村代表、昨年のシンポジウムでの「日の丸鍋レシピ」でお世話になった来賓の長澤孝秋様のご挨拶の後、「暑熱環境下におけるウサギの栄養代謝」というテーマでの講演となりました。

     ウサギは暑さに弱いというのは定説ですが、そのことを気温とエネルギー摂取量の関係という観点からとらえ、気温によって必要な飼料摂取量の変化や、飼料の栄養成分について考察されていました。比較的難解な講演内容でしたが、20名超の参加者の方々は、熱心にメモを取りながら聞き入っていました。講演後の質疑では、時間の関係で1つの質問しかお受けできなかったことは残念でした。可能であれば、次回はもっと余裕のあるタイムテーブルを組みたいと思います。

                   川﨑先生の講演の様子

                    講演会参加者の皆様

 

 17:00より、八乙女交流センターのレストランにて、当ネットワークの懇親会を開催しました。台風の影響により数名のキャンセルが出てしまいましたが、16名の方がご参加くださいました。

  お料理は「チャンス長野」に発注しました。ほとんどが地元秋田の食材を使ったお料理で、他県ではめったに食べられないものもあり、皆様は大満足だったようです。特に、ウサギ肉を使った「日の丸鍋」や、ウサギのもも肉の串焼きは絶品でした。

  また、事務局で用意した飲み物の他に、ご自分の地元の地酒やおすすめのワインなどを持参してくださった方もおり、その県の自慢やウサギ談議に花を咲かせる潤滑油になったようです。ありがとうございました。

                      懇親会のお料理

 

 

全国ウサギネットワーク第2回シンポジウム

 2018年10月12日(金)に秋田県大仙市で全国ウサギネットワーク第2回シンポジウムを開催しました。第31回全国ジャンボうさぎフェスティバルに先んじて開催され、全国から多数の方々に参加していただき盛会となりました。

 シンポジウムでは、秋田大学准教授の西島和俊氏による「医学・生命科学研究に寄与するウサギモデル」及び香川大学農学部助教の川﨑浄教氏による「ウサギの特殊な消化管のしくみについて」、香川大学農学部4年生の為平紗也氏による「アマミノクロウサギの食性調査」の3題の基調講演のあと、元大仙市中仙総合支所の長澤孝秋氏による「日の丸鍋のレシピ」が紹介されました。

 

全国ウサギネットワーク第1回シンポジウム

 2017年10月14日(土)に秋田県大仙市で全国ウサギネットワーク第1回シンポジウムを開催しました。第30回全国ジャンボうさぎフェスティバルの記念協賛事業として開催され、全国から80余名の方々に参加していただき盛会となりました。

 シンポジウムでは、元大仙市中仙総合支所の長澤孝秋氏による「ジャンボうさぎフェスティバル30年の歩み」及び秋田大学バイオサイエンス教育・研究サポートセンターの松田幸久氏による「ドイツの大型ウサギについて」、香川大学農学部の堀晃宏氏による「日本と海外のウサギ肉の違いについて」の3題の基調講演のあと、ジャンボウサギについての討論会も行いました。

会場入口

基調講演1

「ジャンボうさぎフェスティバル30年の歩み」

長澤孝秋氏

 

基調講演2

「ドイツの大型ウサギについて」

松田幸久氏

 

基調講演3

「日本と海外のウサギ肉の違いについて」

堀晃宏氏

 

ジャンボウサギについての討論会

 


その他の活動内容


高橋精一様からの寄稿

2019年4月11日(木)、事務局で秋田県美郷町在住の全国ジャンボウサギフェスティバル優勝者、高橋精一様のお宅を訪問し、ウサギの飼育についての有意義なお話を伺いました。その際、本ネットワークに向けて「秋田改良種」についての寄稿文をいただくことができましたので、ここに記載いたします。

高橋精一様ご夫妻

 秋田改良種(畑屋兎)は、秋田犬・比内鶏と並ぶ秋田県の地名のついた固有の動物です。明治23年に、明治三老農として有名な香川県の奈良専二翁によってもたらされました。奈良翁は稲作指導の目的で来県したのですが、この地方の農家の食膳があまりに貧しいのを見かね、タンパク源として農家有志に飼育させました。

 その後、戦前から戦中にかけて、品種改良に最も熱心に取り組んだ畑屋村から「畑屋兎」として販売され始めました。昭和21年11月、畑屋村農会に秋田県庁の稲葉技師をはじめ、全県の農会関係者・飼育者が集まって審査基準を作成し、基準を満たした個体を「秋田改良種」として農林水産省に登録しました。その後、畑屋村のこの種を守るという強い意志を持って50年以上にわたって飼育され続け、現在に至っています。

 毎年東京で行われる農林水産祭に、第51回から昨年の第57回まで依頼を受けて出展してきました。秋篠宮殿下が農水祭の名誉総裁であり、毎年殿下と中仙でのウサギフェスティバル等、ウサギの話題をお話しさせていただいております。昨年は紀子様より、「これからもがんばってください」とのありがたいお言葉をいただきました。ウサギの飼育での努力が実ったと感無量でした。

 美郷町では、畑屋兎発祥の地として、町内のマンホール蓋にウサギの図版を見ることができます。しかし、現在町内でウサギを飼育している方は3名(他にもいるかもしれませんが)。そのうち2名は80超歳、私も73歳です。近い将来、美郷町からウサギが消える日が来るかもしれません。